相続税申告に別々の税理士がいるケースと起こりうる問題とは?

相続税申告をしようと思って税理士に依頼してみたら、実は他の税理士も動いていたということはあります。
このように別々に税理士が動いていた場合には、どんな問題があるのでしょうか。
ここでは、相続税申告時に税理士が別々に雇用するケースと、起こりうる問題についてご紹介します。

会議

なぜ別々の税理士が出てきてしまうのか

相続の際、別々の税理士が出てきてしまうケースは、相続人同士で連携が取れなかった場合に発生し得るものです。
本来であれば、相続人となる人全員で話し合い、1人の税理士に依頼して全員の連名で相続税申告を行なった方が良いものです。

ですが、さまざまなケースで連携が上手く取れなくなり、別々の税理士が同じ相続に着手してしまうことがあります。
たとえば、遺産分割協議に関して相続人の全員が納得できていなかった場合や、一部の相続人が生前贈与を隠したいと思った場合などです。

お互いや、あるいはどちらかが契約した税理士を信用できずに、別々の税理士に依頼してしまう、ということです。
そうして税理士で別々の申告書を作成すれば、内容の異なる申告書が2枚以上出来上がり、税務署へと提出されることになります。

それはどのような問題を引き起こすのでしょうか?

別々の税理士が出てきたことで起こる問題とは

実のところ、税務署によって認められる申告書は1枚のみです。
その内容が適切であれば問題はありませんが、別々の税理士によって作成された申告書を2枚以上受け取ったのであれば、内容が適切かはわからなくなります。

税理士にもそれぞれ知識や経験、見解が違うので、申告書では記載される税額が特に異なります。
そこで、税額に関してどちらが正しいのかを確かめるために税務署が動いて、『税務調査を行う』というような問題が出てきてしまうのです。

税務調査で税務署が入ることによって、お互いの財産が明らかになり、結局は生前贈与があってもバレてしまいます。
税務署の心象も悪くなってしまうでしょう。

それを防ごうとすれば、結局は相続人同士、もしくは契約している税理士同士で話し合い、内容を統一したものを申告する必要が出てくるのです。
税理士に支払う報酬が二重になってしまう、費用的な無駄も出てきます。

なるべくなら、相続に強い税理士一人にお願いして一本化を図った方が良く、相続人の間でしっかり話し合いをするというのが正解だといえるでしょう。