費用に余裕があれば2人以上の税理士に相談する手もアリ?

相続税申告のとき、別々の税理士に相談する(いわゆるセカンドオピニオン)という方法はコストや時間の面で言えばあまりおすすめできません。
税務署の調査が入り、費用的に無駄になってしまうことや、結局話し合いが発生することなど、二度手間になってしまうことも考えられます。

しかし他の部分でのメリットも存在します。
ここでは、相続税申告で別々の税理士に依頼するメリットについてご紹介します。

相続に強い税理士かがはっきりする

一人の税理士に依頼し、全員の連名で相続税申告を行なったほうが効率は確かに良いです。
ですが、相続税に関しては特に専門性が高い分野ですから、いくら相続に関して強いという触れ込みの税理士であっても、本当にその分野のエキスパートかわかりません。

そのため、なんとなく相続に詳しそうな税理士に依頼しても、納税額が数百万や数千万のレベルで損をしてしまう、ということはありえます。
そしてそれは、一人に依頼していれば損をしているのかしていないのかもわからないのです。

二人以上の税理士に依頼すれば、いわゆる相見積もりのような感覚で申告書に記載されている税額を見比べることもできます。
そしてそれを元に、相続人同士でのすり合わせや税理士感でのすり合わせ、税理士の中立意見を交えた話し合いも可能でしょう。

そういった相見積もりのようなことができるという点では、費用がかかっても別々の税理士と契約することにはメリットがあるといえるかもしれません。

決着が付きやすくなる

意外なほどの多額が被相続人から引き継がれることになれば、相続人同士で不安になり、疑心暗鬼になってしまうこともありえることです。
それによって相続人同士で争いが発生することもあります。

ですが、複数の税理士が介入することで納得感が出やすくなりますし、財産に税務上の評価を当てはめた金額がわかるので、遺産分割協議を行なう際のたたき台としても使えるでしょう。
それで決着が付かなくても、最終的に税務調査が入れば、全体の財産がはっきりし、決着が付くことになります。

このように争いの決着が付けやすくなり、それで決着が付かなくても最終的に税務署の介入で決着が付くというのは、この方法ならではのメリットといえるかもしれません。